中国の思惑と北朝鮮の底力
中国はロシアと北朝鮮の親密さが増していることに懸念を抱いていると言われている。両国に対する中国の影響力が低下するからだ。
だが、中国は依然、正式な条約を結んだ北朝鮮の同盟国であり、まだ北朝鮮のことをアジアにおける米国に対する重要なバッファーと見なしている。
中国人は、朝鮮半島の緊張が高まれば、米国が台湾を防衛するのが難しくなるかもしれないことも承知している。
同じ米軍部隊の多くが台湾、韓国双方の防衛に割り当てられている。実際、ワシントンの一部のアナリストはすでに、朝鮮半島と台湾海峡での同時紛争の可能性について憶測を飛ばしている。
西側では、北朝鮮を冗談として扱う残念な傾向があった。
サイズの合わないスーツと変な髪形の国、核兵器を放つよりも漫画的なミームを打ち出す公算が大きい国として笑ってきた。
金正恩の体制を冗談として扱うと、北朝鮮の市民の苦しみを軽く扱うだけでなく、北朝鮮の能力を深刻に過小評価することになる。
北朝鮮の貧困は、体制がすべての面で遅れていることを意味しない。むしろ、これは軍事的な開発を重視し、一般市民の幸福を完全に無視する態度を裏付けている。
体制の孤立にもかかわらず、北朝鮮は核兵器の開発に成功した。これはイランやシリアなど、より豊かで他国との関係が深い国々が達成できなかったことだ。
北朝鮮人は弾道ミサイルと大規模なサイバー攻撃能力も構築してきた。