「パワーラボ」は、様々なトレーニング機器が並んでいる。アスリートから子供、シニア層までの幅広いトレーニング用途に対応している。利用者は、最新の機材を使って、効率的かつ安全に筋力アップ、スピードアップなど個々のテーマに合わせたトレーニングができる。

パワーラボ(筆者撮影)
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先端機器を使って選手のモーションを解析

 さらに「ベースボールラボ」や「室内練習場」では、選手がトレーニングをすることができるが、ここでの選手の動きは「分析室」で、計測されバイオメカニクスなど動作解析のデータとして科学的に分析される。

ベースボールラボに設置されたトラックマン(筆者撮影)
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 野球であれば投手の投球データ、打者の打球データが弾道計測器「トラックマン」「ラプソード」などを用いて即座にデータ化される。またハイスピードカメラなどを使って、パフォーマンスを解析することもできる。

室内練習場(筆者撮影)
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 筆者が訪れた時は、社会人野球のエイジェック硬式野球部の選手が、野球グラウンドの内野部分とほぼ同じ面積の広い室内練習場でトレーニングしていた。選手のデータは分析室でデータ化されるのだ。

「コンディショニングラボ」は、最新鋭の身体計測機器を備え、ケガや故障などでリハビリテーション中のアスリートの回復状況を測定したり、障害予防や疲労回復などについて、経験豊富な現役トレーナーが身体のコンディショニングをトータルでサポートしたりする。

コンディショニングラボ(筆者撮影)
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 厨房と食事テーブルからなる「フードラボ」は、一見「食堂」のように見えるが、そうではなく選手自身が食育を通じて自給自足をし、自らアスリートとしての身体作りをすることを目指している。ただ与えられた食事を食べるのではなく、食材について学び、栄養価なども知ったうえで、自分で調理をすることで、健康管理について学ぶのだ。

フードラボ(筆者撮影)
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 さらに、ここはアスリートだけでなく地域交流の場として、食育・農業体験を開催する。

 この施設を中心に取得したデータは様々な研究機関や企業、スポーツ団体などと協力・提携し、研究に役立てられる。これによって、スポーツ人口の増加やケガ・障害予防、競技力向上などスポーツを通じた社会貢献につなげることを目指している。