今後の展開は?

 いずれにせよ、HYBE側の対応にファンは全く納得していません。基本的にはNewJeansとミン氏側を応援していると思います。「ハニがこんな表情をしたのは初めてだ」という、驚きと悲しみに満ちたコメントもありました。筆者が観に行った9月のライブでも、ミン氏を支持する歓声が上がりました。「NewJeansはミン氏がいたからこそ誕生した」というのは、ファンが共通して了解するところです。

 そもそも、ADORはNewJeansをプロデュースするための会社です。だから、この問題はミン氏とHYBE、ADORだけの問題じゃなくて、NewJeansが最大の当事者なわけです。そのNewJeansが会社からの人権侵害を訴えたのです。

 NewJeansはミン氏側に徹底的に立つつもりです。はっきりとした態度表明をしたわけです。裁判所は和解を目指す方向に話を持っていこうとすると思いますが、その際に重要なのは、やはり所属アーティストの意思、NewJeansの意思です。今回の証言は、裁判所も絶対に無視できないはずです。

 ミン氏の最近のインタビューによると、NewJeansは現在、新曲を出せるような状態ではなく、授賞式などの単発のライブには出演していますが、今後の活動計画は特に決まったものはないようです。NewJeansがどうなるか、ミン氏自身も「分からない」と言っています。

 ただ、ミン氏とNewJeansが固い絆で結ばれていることは明らかになりました。メンバーの一部が脱退するとか、ばらばらになることはないでしょう。

 ミン氏側とHYBEの攻防も、膠着状態が続くと思います。おそらく、HYBE側はミン氏がクーデターを起こそうとした決定的な証拠を持っていないのだと思います。これだけ時間がたっているのに、決定的な証拠の話が報道されないのはおかしいと言わざるを得ません。

 HYBE側は、ADORという会社の代表と、プロデューサー業を分離するとして、新代表を選びました。ミン氏には、引き続きプロデュース業に当たってもらいたいようです。でも、ミン氏としては「裏切者」のレッテルを貼られたまま仕事ができるわけがありませんし、さらにHYBE側のNewJeansへの対応も人権侵害の疑いがあるとのことですから、スムーズには事態は収拾しないでしょう。