規制緩和・優遇措置を確約

 ここまではトランプ氏を支持する政策上の理由だが、マスク氏の宗旨替えにはもっと生臭い理由があった。

 ワシントン・ポストのジョシュ・ダウゼイ、エバ・ダウ、ファイズ・シディクイの3人の記者はこう報じている。

マスク氏の華麗な変身の理由はバイデン政権下でのビジネス妨害にあった」

「運輸省国道交通安全局が2020年、自動運転技術を用いたテスラの運転支援機能オートパイロットについて、基本的な防止策が十分ではないと結論づけ、新たな調査も開始した」

「これと並行して、証券取引委員会(SEC)もテスラ新型『モデル3』のマーケティングを再調査することを決定した」

「販売業績が厳しいテスラにとって最悪のタイミングだった」

「マスク氏はこうした動きの背景でバイデン氏がテスラを鼻であしらうようなスタンスを感じ取ったようだ」

「さらに、火星探査を目指したスペースXに対しても全米労働委員会=NLRB=は、社内でのセクハラ容疑で調査を開始する一方で、ホワイトハウスはスペースXおよびスペースリンクに対する今後10年の新たな政府とのコントラクト(新たに120億ドル)にも難色を示していた」

「マスク氏は、変革の推進者と思っていた民主党政権は、何のことはない、自分の革新的なビジネスにいちゃもんをつける守旧派と見たのだ」

「こうした心変わりを察知したトランプ氏はマスク氏に『求愛』し、マスク氏のビジネスに対する許認可緩和、優遇措置を確約したのだ」

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