イーロン・マスクは「不適格者トランプ」をなぜここまで応援するのか
「欠陥車テスラ」「X」の査定緩和、「スペースX」新規契約で密約あり?
2024.10.9(水)
高濱 賛
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民主党の「多様性、公平性、包摂性」を敵視
マスク氏は自らを「穏健派の民主党支持者だった」と述べ、バラク・オバマ大統領(当時)と握手するために6時間並んだこともあったという。
EV普及を推進するバイデン政権で、テスラは消費者向けの税控除などでその恩恵も受けていたが、Xの労働組合をめぐる立場などで相反。
2016年には、「トランプ氏は大統領には不適格者だ。米国を代表するには品位がない」とまで言っていたが、2022年の中間選挙では共和党支持を打ち出した。
今年に入ると、マスク氏はXでジョー・バイデン大統領の高齢不安や移民政策などに批判を広げ、トランプ氏に肩入れする傾向を強めた。
とりわけ民主党が重視する「多様性、公平性、包摂性」(DEI)の推進を敵視し始め、同氏自身の子供の一人がトランスジェンダーなのは、「意識高い系(woke)ウイルス」のせいだとも発言している。
前述の集会の応援演説では、マスク氏は銃保持、民主主義、投票権の自由を並行させてこう訴えた。
「米国憲法を守るためにトランプ氏を大統領にしなければならない。米国の民主主義を守るためにトランプ氏を勝たせなければならない」
「民主党の候補者は、皆さんから銃保持の権利を奪おうとしている。皆さんから投票権を取り上げようとしている」
「ファイト、ファイト、ファイト」
確かに、マスク氏は個人の自由を最大化し、政府による規制を極力減らす社会像を志向する点では終始一貫している。
2022年のツイッター買収も「言論の自由の擁護」の大義名分を掲げたものだった。