川上高司さんが所長を務める団体のメンバー

 で、そういう与太話を吹き込んだと見られる川上高司さんは、前任の日米の安全保障クラスタに世代を超えて顔が効く宮家邦彦さんの後任として、突如として石破政権の内閣官房参与に就任することになりました。

 まあ、過去も高橋洋一さんや藤井聡さん、岸博幸さんら面白メンバーが参与として官邸に出入りし、いまでも飯島勲さんはお部屋もらって不思議なことをされています。参与ってのはそういうポジションなんだっけというのはありますけれども、一番の問題は、参与は総理からの諮問に対して回答できるポジションであるという点です。

 参与はほかの調査方と同じく全員が非常勤の一般職国家公務員の扱いで、参与に対する報酬は、みな一律日給で2万6400円です。

 手を動かさず働かねえ参与にこんなカネをくれてやるなら俺たちの給料を上げろ。そして、総理は職権上で得られた資料を明示して参与に意見を聴くことができるため、そういう与太話をもってくる人物を有識者として参与にしていいのか、という疑問は当然出てくることになります。

 この川上高司さんは拓殖大学の教授職というプロフィールで活動をされていますが、対外的には「一般社団法人 中央政策研究所」なる団体の所長に就任されています。

 ところが、この団体の登記や活動履歴を見てみると、都知事・小池百合子さんの学歴詐称を特に根拠なく主張する記者会見までやって大騒ぎした元環境省審議官の小島敏郎さんが社団の理事長に。さらに、反ワクチンなど過激な陰謀論を振りまいて政治活動を続けているインディー政党・参政党の前代表を務めた松田学さんが理事に就任しています。

 関係者に話を聞くと、皆さん言葉少なに「最近は活動は低迷しているが、石破茂さんはながらく川上さんと極めて親しく政策論を交わしていると聞いています(原文ママ)」とのことです。

 石破茂さんは自民党非主流派として冷たいごはんを召されている間に、微妙な政策ブレーンとつるんで政策構想を練ってきた結果、アカン人を官邸に入れちゃっている恐れもあります。

 私なら、最低限この団体や、参与に就任している人物の資金関係も含めて実態調査をやったほうがいいと進言しますけどね……。