月に300万円以上のテナント収入

 21年当時Y氏からの依頼で沖縄にある羽賀の資産を調べたA氏は、今回の羽賀の逮捕を受けて、こう語っている。

「羽賀容疑者が沖縄・北谷(ちゃたん)周辺に所有していた土地やビルなどは全部で16筆ありました。最大のものは沖縄の真っ青な海を目の前に臨む大型の商業ビルで、テナントにはテレビや旅行雑誌でたびたび紹介されて、観光客や地元の若いカップルなどに人気のレストランが入っています。もちろん、このビルのオーナーが羽賀容疑者であることは一般には知られていません。

 Y氏に送られてきた書類には、ビルのテナント料などを合わせると羽賀容疑者に毎月約320万円が振り込まれているとありました。事実とすれば、沖縄の刑務所に収監されて無収入だと思われていた羽賀容疑者は、少なくとも年間3800万円ほどを手にしていたことになります。

 出所してからは人材派遣の仕事などをしつつ、SNSなどに登場した際には『お金はない』などと語っていた羽賀容疑者ですが、それは真っ赤なウソだったということです」

 羽賀が所有するビルには抵当権が設定されていた。そのためY氏が羽賀の不動産を差し押さえようとすれば、この抵当権を外す裁判から始めなければならなかった。また差し押えにも費用が掛かる。羽賀に大金を騙し取られたY氏は、それすら捻出できない困窮状態となっていたのである。

 筆者は、Y氏に羽賀とのトラブルが表沙汰になったころからときどき話を聞いていた。前回記事で紹介した「私は羽賀容疑者によって人生を滅茶苦茶にされたと思っています」などといったY氏のコメントは、常々本人から聞いていたものだ。

 羽賀に騙されたY氏のその後は悲惨だった。不動産業を営んではいたが、自分が所有していた大阪市内中心部のビルを売却せざるを得なくなった。家庭も壊れ、その後は居場所を転々と替え、生活保護の世話にもなった。そのためか、こちらから電話しても、折り返しが1カ月後などということもザラだった。

 今回の羽賀の3回目の逮捕の報道を見て、すぐY氏に電話してみたが応答はなかった。