最終観覧日を迎え、多くの来園者の前に姿を見せたジャイアントパンダのシンシン=9月28日午前、東京・上野動物園(写真:共同通信社)
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 10月1日、石破茂新政権が発足した。中国は石破新政権をどう見ているのか? 北京の中国人の日本ウォッチャーに、緊急で話を聞いた。以下は、一問一答である。

「新総裁には気の毒だが…」

――中国は、石破新政権をどう見ているか?

「中国がどう見ているか、それを示すのに格好の話がある。先週金曜日(9月27日)の午後、日本で自民党総裁選が行われ、石破茂候補が勝利し、新総裁に就いた。週末の日本はおそらく、このニュース一色だったろう。

 だが北京ではこの時、日本に関することで、『石破新総裁誕生』よりも大きく報道されたニュースがあったのだ」

新内閣が発足し、記者会見する石破茂首相=10月1日、首相官邸(写真:共同通信社)
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――隣国のトップが交代する以上に大きなニュースがあったのか?

「そうだ。それは、日本にレンタルしていた2頭のパンダ、『比力』(ビーリー)と『仙女』(シエンニュイ)が、中国に帰国したことだ。2頭は9月29日、無事に四川省の中国ジャイアントパンダ保護研究センターに到着し、熱烈歓迎を受けた」

――パンダ? 日本でもたしかにその話は、大きなニュースになっていた。日本では「リーリー」(力力)と「シンシン」(真真)と呼ばれていて、上野公園と成田空港には、多くのパンダファンが詰めかけた。2頭は2011年3月の東日本大震災の直前に日本にやって来て、震災の後、多くの日本人を癒してくれた。2017年に「シャンシャン」(香香)が誕生し(昨年返還)、2021年には双子の「シャオシャオ」(暁暁)と「レイレイ」(蕾蕾)が誕生した。

「その通りだ。『比力』と『仙女』の日本での活躍と、中国に帰国して歓迎される様子などが、大きなニュースになったのだ。石破新総裁には気の毒だが、パンダのほうがビッグニュースだった」