麻生さんがふてくされていた。石破総裁が率いる自民党新執行部での、9月30日の臨時総務会。麻生さんは最高顧問として石破総裁の隣に座ったものの、表情は終始硬いままで、新執行部での記念撮影にも応じることなく立ち去った。こうした態度にネット上では「子供じみている」「大人げない」といった声も上がっていた。なぜ麻生さんは最高顧問の依頼を引き受けたのに、あんなにむすっとしていたのか? 麻生さんの「不機嫌」を読み解くには、心理学三大巨頭の一人・アドラーの視点が役立ちそうだ。(JBpress)
(*)本稿は『みんな違う。 それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと』(岩井俊憲著、ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・再編集したものです。
人が不機嫌なのには「目的」がある
職場で仕事をしていると、キーボードを強く叩いたり、「はぁ」と大きなため息をついたり、会話の声がとげとげしていたり。職場には、イライラしている人、不機嫌な人がいます。
すると、「あれ、何か悪いことがあったのかな」とか「私のさっきの言い方がよくなかったのかな」などと、「原因」を探す人がいます。
しかし、このように人がイライラしているとき、不機嫌なとき、アドラー心理学では、「原因」を考えるのではなく、「目的」を考えます。
「目的ってどういう意味だろう?」と思った人もいるでしょう。
「イライラする」という態度をとることで、「達成したいこと」「伝えたいこと」(=目的)があると考えるのです。