攻防両面からの小型無人機対策が課題

 我が国も、レプリケーター1に沿って、米インド太平洋軍が取組み、台湾が呼応している「地獄絵図戦略」に基づく攻撃的ドローン能力を持つことが不可欠である。

 同時に、米国防省・米軍が推進しているレプリケーター2による対小型無人航空機システム(C-sUAS)の開発・配備も避けて通れない。

 中国軍は、偵察などを目的に高高度において長時間滞空可能な機体(HALE)や、ミサイルなどを搭載可能な機体を含む多種多様な無人航空機(UAV)の自国開発・配備を急速に進めている。

 実際に、空軍や陸軍には攻撃などを任務とする無人機部隊の創設が指摘されているほか、日本の周辺海空域などで偵察などの目的のためにUAVを頻繁に投入している。

 また、中国国内では低コストの小型 UAVを多数使用して運用するスウォーム(群れ)技術の向上も指摘され、将来の戦場に中国の無人機群が蔓延することは容易に察しが付こう。

 その脅威に対抗するため、米軍と同様、レプリケーター1およびレプリケーター2といった攻撃、防御の両面から小型無人機対策を講じることは、言うまでもなく我が国防衛の喫緊の課題である。

 なお、このテーマに関連して、本欄に「中国の台湾侵攻を「地獄絵図」化する米インド太平洋軍の非対称戦略」(2024.6.16)と「中国の台湾武力統一は儚き夢に、米国の「地獄絵図」戦略に台湾呼応で」(2024.7.11)の2題が掲載されているので、参考にしていただければ幸いである。