「補助金もらいのプロ」になっていく地方

片山氏:そもそも、地域の問題をどうするかというところで、中央政府が全国一律に各地域を引っ張っていくなんていう手法自体が間違いです。この間、こうした手法でいろんなことをやってきましたが、全部うまくいっていません。

 勉強だってそうでしょう。親が上からガンガン言ったって、子どもは勉強しません。ところが、自分がやろうと思ったことは、もう黙っててもやるじゃないですか。

 いま一番必要なのは、地域の人たち自身が自分たちの地域の問題を真剣に考えるということです。それを、なまじ中央政府が手を出すから、地域が引きずられてしまう。マニュアルに合わせてしまう。

 どうすれば補助金がもらえるか。お金をたくさんもらえるか。そんなことに関心が向いてしまって、自分たちの地域のことを考えなくなってしまったんです。

 だからこそ、新しい地方政策だ、地域活性化策だなんだと言って予算を付けるということは、私はやらない方が賢明だと思います。

 石破さんも、ここは熟知しているはずです。

――地方の自主性に任せるという形ですね。

片山氏:まずは地方が自分たちで考えなければなりません。ところがいまは逆です。政府からいいアイデアが出てくるだろうと、地方が待っているような状況です。

 本当は、地域のみなさんが自分たちの地域づくりのプロにならなきゃいけません。なのに、国の方を向いて「補助金もらいのプロ」になろうとしてしまっている。こんなこと、何十年も続けてもうまくいきません。