ポスコでも進んだ世代交代

 2014年まで会長を務めた鄭俊陽(チョン・ジュンヤン=1948年生)氏あたりまでは、朴泰俊氏に繰り返し日本との関係がいかに重要か聞かされてきた。

 自身も、何度も日鉄との協力を経験している。

 だが、その後任の権五俊(クウォン・オジュン=1950年生)氏は、ピッツバーグ大学大学院で学位を取得し、駐在はドイツで日本とはあまり縁がない。

 2024年3月まで会長を務めた崔正友(チェ・ジョンウ=1957年生)氏は、釜山大卒で財務畑を歩んだポスコでは異例の経歴でトップになり、日鉄とはほとんど関係がなかった。

 2024年3月に就任した張仁和(チャン・インファ=1955年生)氏は、MIT(マサチューセッツ工科大学)で博士号を取得した、どちらかと言えば研究畑を歩んだ経歴だ。

 張仁和会長自身は就任以来、「日鉄との関係強化について前向き」(ポスコ関係者)というが、今は目先の経営で手一杯という状況だ。

 日鉄が株式をすべて売却するポスコは実は、ここ数年は以前ほどの輝きが見られないのだ。