米英は長距離兵器のロシア国内での使用を認めず

 ロシアがドローンやミサイルの製造に使用する高度な西側の部品を継続的に購入している。ロシア産原油もシャドータンカーを利用して迂回輸出されている。ウクライナの真の安全保障は北大西洋条約機構(NATO)加盟でしか達成できないが、ハードルは極めて高いのが現実だ。

 米英は提供した長距離兵器でウクライナがロシア国内を攻撃するのを認めていない。バイデン米政権が大統領選前に戦争をエスカレートさせる恐れのある長距離兵器の使用を認める可能性はゼロに近い。軍総司令官を更迭されたザルジニー氏は外交官としても辛い立場に置かれている。

 これに対し、デービッド・ラミー英外相は「50万人以上の死傷者を出すロシアが直面する苦難はより深刻で厳しいものになる。来年後半から2026年以降に向かうにつれ、その傾向は強まる。ウクライナを支援する同盟国にとって忍耐が試される」とザルジニー氏に我慢を求めた。

 米欧5カ国とロシア・ベラルーシの間で行われた26人の身柄交換の一人、反政権活動家のウラジーミル・カラムルザ氏(43)は9月20日、英シンクタンク、英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)で記者会見し「西側はプーチン後に備えるプランを」と訴えた。