ここで当選後、割れた自民党をまとめ、「維新・自民」を一本化して安定した県政運営の基礎に渡りをつけたのは「片山安孝副知事」を筆頭に、現場の機微が分かる叩き上げ集団でした。

 その一部が、元宮城県に出向していた仲間ということで「牛タン倶楽部」などと呼ばれていますが、重要なのは「牛タン」ではなく、実務に通じたプロの行政官であること。

 議会運営ができなければまともに行政が動くわけがないのは、組織幹部の役人であれ政治屋であれプロなら知悉しています。

 ところが、斎藤元彦君は政治は完全に素人、役人としては「課長補佐」程度の見識と察せられ、「数の意味」が全く分かっていない。

 本当に理解していない完全に「愚者」の表情は、「県政に停滞はない」その他、素人丸出しの答えをしている際の知事の顔で確認できます。

 つまり、議会通過が見えていない。

 自分の机の上にやって来る書類にハンコを捺す、捺さないレベルの事務作業が、知事の仕事や県政と勘違いしているので「課長補佐レベル」と判断されるわけです。

 本当に、知らない。そして全会一致の不信任を招き、その結果が出た後ですら、その意味が全く分からず、のうのうとテレビで自慢話などができてしまう音痴ぶり。

 ここまで酷いのは、なかなかなもの。驚くべきことです。

 政治にかけらほどでも感覚があれば、立憲系の県民連合(9議席)単体での辞職勧告であれば

9 < 43 = 86÷2(過半数)

 に及ばず、不信任案は否決、それに共産(2議席)・諸派(4議席)が共鳴するあたりならまだしも、最大会派である自民党(37)が合流してしまえば、仮に自民+立憲というなかなかレアな合従連衡でも、

37+9=46 > 43

 で、もうアウト。自身の不信任以前に、正常な議会運営は不可能で県政はストップ、とすぐ判断がつく。

 これが本当に「分からない」素人を、間違って候補に担いでしまった。

 担いだのが維新なのか、自民党離反派なのか、という問いは別にして、交通警官ほどの事務経験と判断能力のない人間を、選挙で担いだツケが今回ってきている。