なかでも集中的に嫌がらせを受けた女性は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症し、それが逮捕理由となった。彼女の子どもも「帰れクソガキ!この野郎」などと罵声を浴びせられたという。

 この男が荒れるきっかけは、車の止め方だったようだという。被害女性は「我が家の前に来て、バック駐車をしたいがためにいちゃもんをつけるようになった」というのだが、よくわからない。

 しかしなにがあったにせよ、こんな大馬鹿者が近所にひとりでもいると、住民はたまったものではない。毎日が地獄だ。

 この男はこれまでも、近所の住民らを侮辱した疑いなどで3回逮捕されているというのだが、住民が望んだこととは程遠い、どうせおざなりの罰だったのだろう。

 性犯罪に関してもそうなのだが、法律が甘すぎるのだ。

 上記記事で若狭勝弁護士はこう語っている。「(私自身とても悩ましく思っているのですが、こんな迷惑男が)仮に逮捕されたとしても罰金刑だったり、懲役刑でも執行猶予がついたとすればすぐに元の場所に戻ってきます。こういったケースでは、賃貸であれば被害者が引っ越すことが多いですね」

 結局、悪がのさばり、善は泣き寝入りではないか。

 この加害者の男は警察の調べに対して、「叫んだり威嚇したりはしていません」「(PTSD発症は)私のせいではありません」と容疑を否定しているという。

 法律も警察も裁判も、舐めきっているのだ。

多発するトラブル、だがもっていき先がない

 日々の暮らしにおけるトラブルで一番多いのは、隣人との騒音問題かもしれない。もちろん、ほかにもある。セクハラ、パワハラ、児童虐待、DV(家庭内暴力)、学校でのいじめ、などである。

 だが考えてみると、このようなトラブルは多発しているのに、わたしたちはこういう問題をどこにもっていけばよいのか、わからないのだ。もっていき先がないのである。

 いまでも全国のいたる所で、隣人トラブルに悩んでいる人がいることだろう。

 人類は月に行けるようになった。遺伝子を解明した。SAT(特殊急襲部隊)やSIT(特殊犯捜査係)で、テロ犯や凶悪犯にも対抗できる。

 だが人間は、隣人の騒音トラブルひとつ解決できないのだ。

 チャットGPTがなんでも答えてくれると大騒ぎをした人、どうしたらいいのか、AIに聞いてみてくれ。ついでに尖閣、竹島、北方4島の答えも聞いてくれ。

 隣人トラブルに遭って、最初に思いつくのは警察だ。しかし、警察は民事不介入ということで、最終的にはあてにならない。

 だったら刑事事件にすれば文句はないだろうと、確信犯的に相手側と事を起こすことも考えられないことはないが、やはり止めたほうがいいだろう。