尖閣周辺に中国海警局の船舶

 フィリピン有事は、日本有事でもある。何しろ中国側は、このフィリピンとの南シナ海の問題と、日本との尖閣諸島問題を常時、並行して考えているからだ。例えば、中国海警局のホームページには、フィリピン問題に関する発表に交じって、9月6日にこんな声明を出している。

<9月6日、中国海警「1303艦艇」編隊は、釣魚島(尖閣諸島)の領海内を巡航した。これは、中国海警が法に基づいて展開する権益を維持するための巡航活動である>

 今週21日には、中国で国防教育法が改正され、こういった主張が14億国民に、より周知徹底される。

 一方の日本は、現在、自民党総裁選の真っただ中だが、9人の候補者たちの発言からは、尖閣諸島や南シナ海に対する危機感は、ほとんど聞かれない。

 おしまいにもう一度、冒頭の言葉を繰り返そう。「危機管理において『空振り』は許されるが、『見逃し』は許されない」。