南シナ海サビナ礁で中国がフィリピンに「勝利宣言」

 すっかり前置きが長くなったが、今回の話題は、北朝鮮のミサイル危機ではなくて、中国による南シナ海襲来の危機である。中国は、来年1月にアメリカで新たな政権が発足するまでの「空白期間」を利用して、南シナ海で最大限「暴れ回ろう」としているようにも映るのだ。

 9月15日午後1時28分、この日は日曜日にもかかわらず、中国海警局が突然、以下の発表をした(カッコ内は私の注釈)。

<中国海警局の劉徳軍報道官は示した。4月17日以降、フィリピン沿岸警備隊(PCG)の船「9701号」は、中国の仙賓礁(英語名:サビナ礁、フィリピン名:エスコダ礁)に、5カ月近くも不法滞留した。フィリピン側の行動は、中国の領土主権への深刻な侵犯であり、「南シナ海行動宣言」(2002年に中国とASEANが合意した宣言)への深刻な違反であり、地域の平和と安定を深刻に破壊するものだ。

サビナ礁の位置

 その間、中国は法に基づいて、「9701号」にコントロール措置を行ってきた。それによって、フィリピンは何度も物資の補填を、組織的に強行しようと企図したが、それらはおしなべて失敗した。

 9月14日14時頃、フィリピンの「9701号」は、中国の仙賓礁のラグーンから撤退した。

 われわれは、フィリピン側に改めて通告する。煽動やでっち上げ、挑発や権利侵害を停止し、中国側と歩調を合わせて、「南シナ海行動宣言」の厳粛性と有効性を維持、保護することをである。