激戦州の無党派層はどう見たか

 だが、キャスターや筆者の採点はともかく、一番重要なのはこの討論会を見聞きした、まだどちらへの投票を決めかねている中部、南部激戦州7州の無党派層の有権者の反応だ。

 前述のニューヨーク・タイムズの世論調査では、「ハリス嫌いな有権者像」は中西部・南部に住む高卒未満の45歳から64歳まで、65歳以上の中高年の白人男性たちだ。

 一方、「トランプ嫌いな有権者像」は、東部・西部に住む大卒の高学歴の18歳から44歳、白人女性および非白人(黒人)大卒、高卒となっている。

 ハリス嫌いの有権者は、激戦州のペンシルベニア、ウィスコンシン、ミシガン3州の有権者の50%から58%、ノースカロライナ、ジョージア、アリゾナ、ネバダ4州では33%から38%を占めている。

 これら有権者の大半がトランプ氏に投票する、と答えてきた。

 政策や政治理念もさることながら、これらのトランプ支持者は生理的にハリス氏が嫌いなのである。

 その理由は、同氏が女性であることやインド系黒人であることからくる、とされる。

 ということは、今回の討論会でハリス氏が論争力や説得力、パフォーマンスでトランプ氏に勝っていてもこれら有権者には無関係だ。

 討論会前に実施されたニューヨーク・タイムズ世論調査では、「まだ決めていない有権者像」は、30歳から44歳の7%、白人、黒人、ヒスパニック以外の人種、つまりアジア系(中国、韓国、インド、日系など)と太平洋諸島系、原住民(アメリカインディアン)13%、非白人の大卒10%、高卒未満8%、南部、西部の5~6%の有権者ということになる。

nytimes.com/times-siena-poll-likely-electorate-crosstabs

npr.org/swing-states-demographics-electorate