女系継承がない日本で起きなかった王朝乗っ取り

 マッタ・ルイーセ王女は霊媒師の男性と結婚しましたが、直ちに王室が乗っ取られる心配は今のところありません。同王女は第1子長女ではあるものの、王位継承順位1位から外れていることが、ノルウェー王室にとっては救いでしょう。

 ノルウェーは1990年に、憲法が改正され、王位は長子継承となりました。しかし、改正前年の1989年までに生まれた場合は、従前の通り、男子優先とする条件が付けられています。そのため、現国王のハーラル5世の第2子のホーコン王太子(1973年生まれ)が第1子のマッタ・ルイーセ王女(1971年生まれ)を越えて、第1位の王位継承者です。

 さらに、ホーコン王太子の2人の子が第2位、第3位の王位継承者であることから、マッタ・ルイーセ王女は王位継承順位第4位です。同王女が王位を継承する可能性は低いと言えます。

 ただし、万が一、ホーコン王太子一家が事故あるいはテロのようなもので、同時に死亡するようなことがあれば、マッタ・ルイーセ王女が王位を継承することになります。

 そして、マッタ・ルイーセ王女が王位を継承した後、さらに、霊媒師の男性との間に子供が生まれ、その子が王位を将来、継承すれば、ノルウェー王朝はこの霊媒師の王朝になるということです。

 マッタ・ルイーセ王女の年齢(現在52歳)を考えれば、御懐妊の可能性はそれほど高くないかもしれませんが、ないとは言い切れません。少なくとも、そのようなことは起こり得るということを想定しておかねばならないでしょう。

 女系継承というのはそういうことなのです。日本の皇室は女系継承を禁じ、男性を皇族として迎え入れなかったことで、このような王朝乗っ取りを防いできました。

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