「教育の民主化と変革をもたらす」

 同学区のアルベルト・カルバーリョ教育長は「Edは子どもたちと保護者と交流する個人的なアシスタントであり、パートナーだ。子どもたちのバスの位置から学業成績に至るまで、あらゆる最新情報をリアルタイムで提供する」と説明した。

ロサンゼルスのアルベルト・カルバーリョ教育長(2021年12月撮影、写真:Carl Juste/Miami Herald/TNS via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)
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「Edは教師やカウンセラーの役割に取って代わるのではなく、ルーティンワークを自動化し、子どもたちとの関わりをパーソナライズすることで教師やカウンセラーを支援する」。「Edは教育の民主化と変革をもたらす」とカルバーリョ教育長は胸を張った。

 おとぎ話は長くは続かなかった。3カ月後、600万ドル(約8億7000万円)で開発を引き受けたスタートアップが倒産。創業者が辞め、スタッフの大半が財務状況を理由に一時帰休になった。300万ドル(約4億4000万円)が支払い済みだ。

 このスタートアップの買い手が現れれば、新しい所有者がサービスを継続してくれる可能性も残る。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(7月1日)は「AIという大きな可能性を秘めながらも実績の乏しいテクノロジーに税金を投入することのリスクを示している。プライバシーや、チャットボットを通じて提供される情報の正確さなど、複雑な問題が山積している」と指摘する。