気になる習主席の「低姿勢」

 翌20日も、習主席は3つの行事をこなした。第一に、パリオリンピックに参加した中国選手全員を集めて、喜々として述べた。

8月20日、パリ五輪に参加した中国選手団と会見する習近平氏ら共産党と国家の指導者。習主席も満面の笑顔で選手と握手をしている(写真:新華社/共同通信イメージズ)
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「国運が振興することは、すなわちスポーツが振興することだ。国家が強くなることは、スポーツが強くなることだ。中国は、道徳の金メダル、風格の金メダル、清廉な金メダルを世界に見せつけた……」

 中国が、アメリカと同数の40個の金メダルを獲得したことが嬉しいのである。

 第二は、訪中しているフィジーのシティベニ・ランブカ首相と首脳会談を行った。ランブカ首相は先月、第10回太平洋・島サミットで訪日したばかりだが、今回は北京だけでなく、雲南省、福建省、浙江省まで訪れた。

 第三は、やはり訪中している第6回発展途上国議員団と会見した。中国の全国人民代表大会が各国議会連盟に加入して、40周年を記念した行事だ。

 もっとも、この二日間の4つの行事での習近平主席の映像を見ていると、中国語で言うところの「低調」(ディーディアオ=低姿勢)が目立つ。この「低調」が何を意味するのかは不明だ。引き続き動向を注視していきたい。