「ガザでは1日平均、約130人が殺害されている」

 パレスチナのガザ保険当局は15日、この紛争によるガザの死者が4万人を超えたと発表した。同日、国連のトゥルク人権高等弁務官は「今日という日は世界にとって、悲惨な節目となる」とした。死者のほとんどが女性や子供であるとも述べた。なお、あくまでもこれは確認された遺体の数であり、瓦礫の下にいまだ埋まっていると見られる多数の死者は含まれていない。

 トゥルク氏はまた「この想像を絶する状況」の圧倒的な原因は、イスラエル国防軍(IDF)の戦争法違反にあり、軍による住宅や病院、学校、礼拝所の「衝撃的」な破壊の規模にあるとした。ガザでは1日平均、約130人が殺害されているとも指摘した。

 紛争勃発から10カ月を超え、ハマスとネタニヤフ政権の双方が、それぞれの政治的思惑によりダラダラと停戦合意を先延ばしにしてきた中で、ハマスに捕らわれた人質にもガザの市民にも、犠牲が増え続けている。20日には、新たにイスラエル側の人質6人の遺体確認が発表された。

 ガザ当局は殺害されたパレスチナ人のうち1万5000人以上が18歳未満の子供であるとし、また国連は、約1万9000人の子供たちが孤児となったと伝えている。

ガザでは子供たちの犠牲が絶えない(写真:ロイター/アフロ)

 14日にはAP通信がIDFによる空爆で、生後わずか4日(その他報道によっては3日)の男女の双子が母親と共に殺害されたと報じた。帝王切開で生まれた2人は、両親にとって初めての子供たちだったという。父親が子供たちの出生届を出しに行っている間、妻と乳児たちは避難先の家で犠牲になった*1

*1Four-day-old twins killed in Gaza by Israeli airstrike as father registered births(The Guardian)

 真新しい出生届を手に気も狂わんばかりに泣き叫ぶ父親の慟哭をよそに、IDFは14日までにAFP通信に対し、この殺害について「現状詳細を把握していない」とのみ答えている。この一家はIDFの命令に従い、ガザ中部に避難していたという。

 IDFは個別の攻撃についてめったにコメントすることはない。また攻撃の際は民間人に危害が及ばないよう「警告措置を講じている」としてきた。だが、軍の警告が不十分なのか、あるいは精鋭の国軍にしては被害を最小限に食い止めるのが下手なのか、子供や乳幼児、女性を含む民間人の犠牲は増え続ける一方だ。