唯一の対処法は「逃げるが恥だが役に立つ」?
パワハラ被害者を取り巻く現状は、厳しいと言わざるを得ません。前門の虎、後門の狼という状況です。そうなると、身を守るために残された道は逃げることだけになります。
逃げるには転職するのも一つの方法ですが、心身が疲れ切ってしまっていて転職活動するゆとりすらなければ、まずは退職してその場から離れることを優先し、時間をかけて心身を回復させながら態勢を立て直すという方法もあります。
パワハラは、優位な立場にいる加害者側が自らの意思で改善しようと取り組まない限りどうしようもありません。それが見込めないうちは、パワハラは再生産され続けることになるのです。
訴えてもダメ、だからといって黙って耐え続けていては身がもたない。そんなパワハラ体質が染みこんだ職場に身を置いてしまったと気づいた場合、被害者が自衛のために唯一とりうる対処法は「逃げるは恥だが役に立つ」だけなのではないでしょうか。
>>【表】パワハラを絶対に認めない加害者に当てはまる「4タイプ」
【川上 敬太郎(かわかみ・けいたろう)】
ワークスタイル研究家。男女の双子を含む、2男2女4児の父で兼業主夫。1973年三重県津市出身。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業の事業責任者を経て転職。業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員、広報・マーケティング・経営企画・人事部門等の役員・管理職、調査機関『しゅふJOB総合研究所』所長、厚生労働省委託事業検討会委員等を務める。雇用労働分野に20年以上携わり、仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層を中心にのべ約5万人の声を調査・分析したレポートは300本を超える。NHK「あさイチ」、テレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」等メディアへの出演、寄稿、コメント多数。現在は、『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰、『ヒトラボ』編集長、しゅふJOB総研 研究顧問、すばる審査評価機構株式会社 非常勤監査役の他、執筆、講演、広報ブランディングアドバイザリー等の活動に従事。日本労務学会員。