ワルツ氏:60歳、農家出身の元教員、下積み長い庶民派政治家

 ワルツ氏は中西部ネブラスカ州の農家に育ち、高校卒業後は陸軍州兵に入隊、24年間所属しました。州兵は、平時は州知事の指揮下で治安維持や災害救援などに当たりますが、有事になると連邦軍に所属し、戦地に赴くこともあります。

 州兵に所属するかたわら、州立大学を卒業し、教員の仕事を得ました。中国で1年間教師を務めた経験もあります。妻の故郷のミネソタ州に移ってからは高校で地理を教え、アメフト部を州大会優勝に導いた手腕の持ち主です。

ワルツ氏は庶民派をアピールしている(写真:AP/アフロ)

 ワルツ氏もバンス氏も高校卒業後、軍に進んだところまでは一緒ですが、その後、エリートコースを歩んだバンス氏と違い、ワルツ氏の経歴は決して華々しいものではありません。しかし、ワルツ氏はその庶民的な経歴をアピールしています。

 ワルツ氏は2006年の下院選でミネソタ州の選挙区から立候補し、初当選。下院議員を6期12年にわたって務めました。その後、2018年にミネソタ州知事に当選し、現在2期目です。

 米大統領選では毎回、ニューヨークやカリフォルニアなど都市部の州は民主党支持、テキサスなど南部のほとんどの州は共和党支持で固まっています。勝敗を決するのは中西部などに多い「激戦州」で、これらの州を制した方が勝利する傾向があります。トランプ、ハリス両陣営がともに中西部出身者を副大統領候補に擁立したのは、激戦州をものにして勝利を確実にしようという戦略もあるからです。