野党第一党の座と引き換えに失っているもの

菅野氏:次の選挙を失ってでもその先の勝負を取りに行くっていう姿を見せないと、もう立憲民主党に浮かぶ瀬はありません。

 選挙が近づくたびに、野党共闘のために政策協定を結び、中身のない戦いをしてしまう。選挙が終わるとまたちょっと遠ざかる。その繰り返しです。

 その結果いまも野党第一党の座にあるわけですが、同時に絶対に与党にはなれないという、大きな負の側面を伴っているととらえるべきでしょう。

オンラインインタビューに答える菅野志桜里氏オンラインインタビューに答える菅野志桜里氏
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 間違いなく、党内には「もうちょっと中道で行こうよ」という考え方があります。私が立憲民主党の中にいたときにもありました。「体制はリベラル、外交安全保障は現実路線」「いまのままだとまずいから、変えていかなきゃね」と。

 そういう意見を、エレベーターの中で言い合うわけですよ。いやいや、さっきの党内の会議で言ってよ、って感じていました。私はそれを「エレベーター政治」って呼んでいます。

 変化を期待していますが、変化を予想していないというのが率直なところです。「エレベーター政治」では変わっていきません。いまの党内を知る立場にはありませんが、秋の代表選でまた先輩議員の名が挙がる状況を見ると、変わっていないのだろうなと感じます。

 内心では思っていても、行動を伴えない。口と心が繋がっていないという感じでしょうか。

 立憲にとって蓮舫さんは大きな存在でしたから、何が何でも意義があったと総括したいのでしょう。であるならば、もうこの代表選で書き換えてみせるしかないのですが。

――都知事選を生かすのであれば、路線の見直しに思い切って踏み切っていかなければならないということですね。

菅野氏:もう変化を恐れる時代じゃないです。外部の刺激を受けて自ら変わって見せるというのは、ほめられこそすれ恥ずかしいことじゃないと、私は思います。むしろ「ずっと同じ、愚直に一直線です」という政治家を見ると、大丈夫かなって思っちゃう。