フィリピンと準同盟になった日本

 そのマルコス政権が、アメリカの次に頼っているのが、日本なのだ。ジョー・バイデン政権も「日比接近」を後押ししていて、4月11日にはワシントンで初めて、バイデン大統領、マルコス大統領、それに岸田文雄首相の3カ国首脳会談が開かれた。この時発表された共同声明には、3カ国で結束して中国の脅威に対抗していくことが、力強く謳われている。

 そこで「新しい動き」の二つ目だが、中国が前述の「報告」を発表した7月8日午後、日比「2+2」(外務・防衛閣僚会合)をマニラで開いた。日本からは、上川陽子外相と木原稔防衛相が参加した。

7月8日、フィリピン・マニラにて、日比2+2に出席した左から木原実防衛大臣、上川陽子外務大臣、フィリピンのエンリケ・マナロ外務大臣、フィリピンのジルベルト・テオドロ・ジュニア国防長官(写真:AP/アフロ)
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 特筆すべきは、この日、両国がRAA(部隊間協力円滑化協定)に署名したことだ。RAAは「準同盟の証」と呼ばれていて、日本はこれまで、オーストラリアとイギリスとしか結んでいなかった。

 こうして日比が「準同盟関係」になったということは、近未来に起こる可能性があるセカンドトーマス礁を巡る「中比戦争」に、日本も「参戦」するのかということだ。少なくとも中国側は今後、日本をそうした目で見ていくだろう。

 岸田政権が進める「行動」に、日本国民の「覚悟」がまったくついていっていない。「対岸の火事」は、いずれこちらにも「飛び火」してくるに違いない(新著『尖閣有事』も合わせてご覧下さい)。