1950年、つまりいまだ日本がGHQの占領下にあった時期、この法律もまた連合軍指導部の強い影響のもとで準備された。

 一言でいえば、直前まで流されていた「大本営発表」の類を、日本で二度と繰り返させないこと。

 そのために「戦後放送法」が準備されました。この目的に沿って、

1:放送の普及=一部の人しか見ない、あるいは一部の人が見られない状態を作らない

2:放送の不偏不党、表現の自由=端的には大政翼賛会など特定の思想に偏らないこと

3:放送の健全な発達=2と抵触せず、基本的人権の擁護など民主主義社会の発達にプラスになる内容を放送し、そうではない内容にはチェック機構を設ける

 基本方針が固められた。

 より深い背景には、大日本帝国以上にラジオ放送やトーキー映画などマスメディアの政治的・恣意的濫用が徹底していたナチス・ドイツ型のメディアファッショの再発防止が、西欧を中心に全世界で徹底されていた。

 その時期に定められた放送法+電波法は、端的に言えばマスメディアを日独伊枢軸同盟型ファシズムの具に貶めないことを最大の目標として設置されている。

 この事実を情報倫理の観点から第一に強調する必要があります。

 というのは、そうしたファッショ破綻を防止する法的歯止めが、一切存在していないのが現在のユーチューブなどの音声動画ネットメディアの実態だからにほかなりません。