「伝わらない」を改善するためのヒントとは

「伝わらない」を改善するためには、まず「相手の立場」に立ったコミュニケーションを心掛けることだ。報告するのも、メールを書くのも、受け取る側に立って本当に理解できる内容なのか確認する。そもそも何のために必要なのか、その目的まで考えられれば、おのずと相手に伝えるべき内容が変わってくるだろう。

 また、人間の言動の多くは感情に影響を受けてしまう。仕事に感情を持ち込むのは合理的ではないと頭で理解していても、人間である以上自分の感情に左右されずに行動するのは非常に難しい。だからこそ、相手の感情に配慮したコミュニケーションを意識すると伝わりやすくなったり、スムーズに受け取ってもらえたりする。

 とはいえ、人間は自分のスキーマや偏りを自覚するのが難しい。自分の“伝わらない”原因が具体的に何であるのか、理解できないと改善も難しいだろう。現実にコミュニケーション力を磨くには、いかに「失敗」から多くを学べるかがカギになる。

間違いや失敗はやむを得ず起こってしまうものとして、では、どうすれば、そうした間違いや失敗からの影響をなるべく最小限に抑えることができるのかを、コミュニケーションの達人たちは考えています。失敗から学びを得て、改善していくことで、コミュニケーションの力が磨かれているのです。

 失敗は「分析」「修正」とセットでないと意味がない。まずは、スキーマの違いや認知力のあやふやさを念頭に置いて、これまでの“伝わらない”経験を振り返ってみてはいかがだろうか。改善に向けた一歩はそこからのようだ。