露光装置の出荷台数と企業別シェア

 図2に、露光装置の企業別の出荷台数を示す。2011年から2014年にかけて、ASMLの出荷台数は222台から136台に減少した。また、ニコンも85台から34台に減少した。一方、キヤノンは、52台から54台とあまり出荷台数が変わらなかった。

図2 露光装置の企業別出荷台数(~2023年)
出所:モルガンスタンレー証券のデータを基に作成
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 ところがその後、2015年から2023年にかけて、ASMLとキヤノンの出荷台数が大きく増大した。ASMLは169台から449台に増大し、キヤノンも80台から187台に増大した。一方、ニコンは、42台から45台とあまり大きく増えなかった。

 今度は、世界の露光装置の出荷台数と企業別出荷台数シェアを見てみよう(図3)。

図3 露光装置の出荷台数の企業別シェア(~2023年)
出所:モルガンスタンレー証券のデータを基に作成
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 ASMLの出荷台数シェアは、概ね65%前後で一定している。一方、2011年に11.4%だったキヤノンは次第にシェアが増大し、2015年以降は30%弱をキープするようになった。その反面、2011年に23.7%のシェアだったニコンは次第にシェアが低下し、2023年には6.6%に落ち込んでいる。

 このように、売上高シェアでは、ASMLにまったくかなわないキヤノンであるが、出荷台数では、ASMLの約半分近くのシェアを有するのである。

 では、キヤノンは、どの露光装置を多数出荷しているのだろうか?