日本の経営者にはとりわけITのリスキリングが不可欠だ(TumisuによるPixabayからの画像)

経営者にこそ必要なリスキリング

 政府の経済財政諮問会議は6月11日、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」の原案をまとめました。

 経営人材向けのリスキリング(学び直し)となる教育プログラムを新設し、2025年度に3000人の能力向上を目指す目標を掲げています。

 経営知識や戦略的思考を身につけてもらい、収益力強化を通じた賃上げを後押しさせるようです。

 なぜ、日本は従業員のリスキリングだけでなく経営者のリスキリングも必要なのでしょうか。

 日本のビジネス環境において、リスキリングという概念はここ数年でますます重要視されています。

 特に、デジタル技術の進化やAIに対応するために、従業員のスキルアップは欠かせないものとなっているのです。

 しかしながら、近年の調査データを見ると、日本の経営者のリスキリングが一層急務であることが浮き彫りになっています。

 世界経済フォーラム(WEF)によると、日本の従業員の能力は世界ランキングで4位という高い評価を受けている一方で、経営者の能力ランキングは驚くべきことに最下位に位置しているのです。

 この対照的なデータは、日本企業が直面している問題の根幹を明確に示しています。

 従業員の高い能力と、経営者の能力のギャップは日本経済にとって大きな課題です。

 日本の従業員は技術力、勤勉さ、専門知識など多岐にわたるスキルセットを持ち、これが日本経済の競争力を支えています。

 しかし、残念なことに経営者のリーダーシップや戦略的思考、革新力が不足していることが、企業の成長を妨げているのです。

 これにより、従業員の能力を最大限に引き出すことができず、結果として企業全体のパフォーマンスが低下しています。

 以前から、私は経営者リスキリングの重要性を唱えてきました。

 経営者が最新のAI技術や市場動向、グローバルなビジネストレンドに精通していることは、企業の成功にとって不可欠です。

 例えば、デジタルトランスフォーメーション(DX)やグローバルな経営戦略など、現代のビジネス環境においては新たな知識とスキルが求められます。

 これを踏まえ、日本の経営者は以下の点に注力する必要があるでしょう。