ルビコン川は民主主義と法の支配の尊重

 右派と極右を分かつ線は民主主義の尊重だと主張すると、中身より形式を重んじているように見えるかもしれない。

 多くの人は、トランプやルペンのような政治家について本当に不快なことは、移民から女性の権利まで幅広い争点について彼らが提唱している政策だとの見解を抱いている。

 だが、民主主義の構造が存続する限り、有権者はいずれこうした政策を拒否する機会を手に入れる。

 米国は2020年の選挙でトランプを放り出した。ポーランドの超保守派政党「法と正義(PiS)」は昨年、政権の座を失った。

 民主主義と法の支配の尊重が今も、保守の政治と極右の権威主義とを分かつルビコン川だ。

(文中敬称略)

By Gideon Rachman
 
© The Financial Times Limited 2024. All Rights Reserved. Please do not cut and
paste FT articles and redistribute by email or post to the web.