トランプの副大統領候補者が判明、注目は中西部出身の新進気鋭バンス
そのほかにも異色の実力者ずらり、決め手は集金力と忠誠心
2024.6.16(日)
高濱 賛
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ハーバード、陸軍、参戦の異色の上院議員
最有力候補リストに次ぐ「不測の事態に備えた第2グループ」は、コットン、ハガティ、スコットの3上院議員だ。
コットン氏は、ハーバード法科大学院で法務博士号を取得後、陸軍に入隊。2005年から09年までアフガニスタン、イラク戦争に参戦し、「ブロンズ・スター勲章」を授与されている。
2006年には、ニューヨーク・タイムズの3人の記者がテロリストの資金源調達に関する国家機密情報を漏らしたとして、同紙に公開質問状を突きつけた。
「文武両道の保守派のライジング・スター」(保守系メディア)である。
(en.wikipedia.org/wiki/Tom_Cotton)
ハガティ氏は、投資会社の創業者でもあり、2016年の大統領選でトランプ氏に政治献金を出し、17年には駐日米大使に任命された。
トランプ氏が2017年国賓として訪日した際には大使として奔走し、日米同盟関係の深化に足跡を残した。
2019年に離任し、20年にはトランプ氏のお墨付きを得て、地元テネシー州から上院選に立候補し、当選した。
今回の大統領選では、アラバマ、カリフォルニア両州で大口政治献金を集めて、副大統領候補指名に意欲を見せている。
これまでに副大統領だった政治家が駐日大使になったケース(ウォルター・モンデール大使)はあるが、駐日大使経験者が副大統領候補になれば初めてとなる。
(ballotpedia.org/Bill_Hagerty)
このほか、「第2グループ」には黒人のスコット氏がいる。同氏は予備選に立候補したが、途中撤退している。
トランプ氏は、当初、副大統領候補に女性を指名することも示唆していたが、主要メディアは総じて「その可能性はなくなった」と報じている。
トランプ氏が誰を副大統領候補に選ぶのか。集金力も集票力も絶対条件だが、それを超えるキーワードはトランプ氏に対する忠誠心である。
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