日テレが作成した91ページにおよぶ報告書を読むと、制作期間が半年間しかなかったことについて、最初は「ほかのドラマ制作と比較して、特段スケジュールが短かったということはなかった」と書かれている。しかし、読み進めていくと、「今回の制作期間が適切であったかどうかは、一考の余地があるといえよう」などとニュアンスが変わってゆく。ただし、それでも制作期間に問題があったとは明言していない。

 それでいて、報告書の後半にある「今後へ向けた提言」では、「十分な制作期間を確保する必要がある」としている。本当は制作期間の短さに重大な問題があったと分かっているのだ。だが、それでは制作体制や組織づくりの不備を認めることになってしまうので、報告書では問題としなかったのではないだろうか。

制作期間に余裕があればこんな悲劇は…

 他局は原作がなくても脚本家と主演を放送の1年前に決めることが珍しくない。日テレもほかのドラマではそうなのだ。

「制作期間が1年以上あったら、芦原さんの悲劇は避けられた可能性が高い。芦原さんと日テレ制作陣のドラマ化に対する考え方が違うと分かった時点で、プロデューサーが制作を中止し、ほかのドラマに差し替えれば良かったのだから」(ドラマプロデューサー)

 過去には実際に原作者の意向でドラマ化が白紙になったケースもある。それは制作期間が十分あったから可能だった。たとえば、やはり人気漫画の『のだめカンタービレ』である。当初はTBSが2005年の放送予定で制作を進めていた。主演は上野樹里(38)と岡田准一(43)の予定だった。

 しかし、岡田が当時所属していた旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)が、脚本の中身や主題歌の選定に介入する動きを見せたため、原作者の二ノ宮知子氏が態度を硬化させる。このため、TBSはドラマ化をあきらめた。代わりに井上真央(37)主演の『花より団子』(2005年)を制作した。やはり漫画が原作だ。

『のだめカンタービレ』のドラマ化権はフジテレビに移り、翌2006年に上野と玉木宏(44)の主演で放送された。