郊外に目を向ければ魅力的な価格設定のタワマンもある

 HARUMI FLAGのように、今後、破格の価格設定で販売されるタワマンが出てくることは期待しにくいが、都心ではなく都心周辺や郊外の大きな乗換駅まで目を向ければ、ある程度の割安感があって比較的リーズナブルな価格帯で手に入るタワマンもある。

 一例を挙げると、千葉市中央区の「BrilliaTower千葉(2026年12月中旬入居予定)」は、JR総武本線の千葉駅から徒歩4分で、最多価格帯は4800万円台、5900万円台で販売されている(2024年6月現在)。商業施設を併設し、免震装置も採用されるなど、前述したタワマンのプラスアルファの要素を多数持っている。

 京王相模原線橋本駅から徒歩4分の「ブランズタワー橋本(神奈川県相模原市/2026年9月上旬入居予定)」も、2024年6月段階では価格未定ながら、都心のタワマンに比べるとかなり割安感のある価格設定になるのではないだろうか。

 周知のように、橋本にはリニア新幹線の新駅が設置される予定で、開業すると品川駅まで10分と交通アクセスが格段に向上する。

 都心のビジネス拠点まで30分もあれば通勤できるようになり、名古屋までも1時間ほどで移動できるため、ビジネスやレジャーなどさまざまな日常の利便性が高まる。リニア工事の遅れから、開業はかなり先になりそうだが、若い世代であれば長期的な視点で購入を考えてみてもいいのではないだろうか。

【山下和之(やました・かずゆき)】
住宅ジャーナリスト。住宅・不動産分野で新聞・雑誌・単行本などの取材、原稿制作、各種講演、メディア出演などを行う。『住宅ローン相談ハンドブック』(近代セールス社)、『はじめてのマンション購入絶対成功させる完全ガイド2022─2023』(講談社ムック)などの著書がある。