割安感から申し込みが殺到した「HARUMI FLAG」

 もちろん価格面での割安感も大切だろう。現状はマンション価格が高くなりすぎて、平均的な会社員では、都心やその周辺に多いタワマンを簡単には買えなくなっている。そのため、やはり販売価格が最も重要だと考える人も多いだろう。周辺相場などに比べて分譲時の価格が安ければ、完成後には資産価値が上昇する可能性も高い。

 その点で圧倒的な人気を集めたのが、東京五輪の選手村跡地に分譲された「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」だろう。

HARUMI FLAG(晴海フラッグ)タワマンが建ち並ぶ「HARUMI FLAG(晴海フラッグ)」(写真:共同通信社)

 選手村として活用後にリニューアルして分譲することが前提だったので、東京都がデベロッパーに相場よりかなり安く土地を販売し、一説には周辺相場より数十%安い価格で販売されたと言われる。

 2023年7月に発売されたタワーマンションの「HARUMI FLAG SUN VILLAGE T棟(東京都中央区/2025年10月下旬入居予定)」1期276戸は平均価格8634万円で、平均15.3倍、最高142倍で即日完売。都心近くのタワーマンションながら、1億円を切る価格帯で分譲されて大きな話題になった。

 投資目的で複数の住戸に申し込む人が殺到することが予想されたため、申し込みが1人2部屋までに規制されたほどだ。