注目集めた「ルフィ事件」の手口とは

 この事件ではフィリピンを拠点に活動していた日本人男性3人(いずれも強盗予備罪などで起訴)がマニラ郊外の入管施設「ビクタン収容所」に収容されていた当時、スマートフォンのメッセージアプリ「テレグラム」などを使って日本国内の実行役を募って指示を出し、実際に強盗などを実行させていた、という犯罪です。指示役の3人はテレグラムで「ルフィ」「キム」「ミツハシ」などと名乗っていました。

 「ルフィ」らが起こした事件のうち、2022年12月に広島市西区の時計販売買い取り専門店が襲われた事件では、経営者の50代男性の頭を殴り、現金約250万円とロレックスなどの高級腕時計を約140点(2439万円相当)も奪い取るという荒っぽい手口でした。警察が実行役として逮捕したのは8人。互いに面識のない者も多く、「ルフィ」らの正体も知らないまま犯行に及んでいました。

 報道によると、ルフィのグループはこのほか、東京都中野区の強盗傷害事件や狛江市の強盗殺人事件など8つの事件に関わったとみられています。被害者は高齢者ばかりですが、犯行グループは「年寄りだけ金を持っている。ずるい」「フィリピンで施設に収容されていても(カネやコネがあれば)自由に活動できる」などとうそぶいていた、とされています。