(作家・ジャーナリスト:青沼 陽一郎)
日本の治安は悪化しているのだろうか。ゴールデンウイーク明けの今週、衝撃的な事件報道が相次いでいる。
人目を憚らず銀座の街中で強盗
8日、月曜日。まだ、薄らと陽の光の残る午後6時15分ごろ、人通りも絶えない東京・銀座の中央通りにあるロレックス専門店に、黒装束に白い仮面で顔を隠した3人組が押し入る。店員に刃物を突きつけて「伏せろ。殺すぞ」と脅すと、バールでショーケースを割って腕時計を手当たり次第に強奪。店の前に止めていたワゴン車で逃走する。
衆人環視を憚ることもなく、まるでハリウッド映画か、安っぽいテレビドラマのような短時間の事件は、通行人が撮影した映像がSNSで拡散。その後、約3キロ離れた赤坂に逃走したところで、事件に関与したとされる4人が警視庁に身柄を確保されている。
4人はいずれも横浜市に住む、高校生を含む16〜19歳の少年だった。4人は互いのことを「知らない」と話しているという。他に指示役がいる「闇バイト」の可能性もあるとみて、調べが進む。
10日、水曜日。午前8時過ぎ。東京都大田区の蒲田駅から程近い住宅街で、近くの中学校に通う1年生の男子生徒が胸を刃物で刺される事件が発生。近くにいた61歳の男が現行犯逮捕された。
男子生徒は命に別条はないが、重傷を負った。刺した男は男子生徒の父親が勤める家電量販店の客で、父親とは面識があったという。