うつ病と男性更年期障害はかなり似ている
たとえば、筋トレをしているのに最近は筋肉がつかなくなったと感じている人は、テストステロン値を調べてみてください。男性ホルモン(代表的なものはテストステロン)の分泌が少ないと、いくらトレーニングをしても、これまでのようには筋肉を増やすことができません。
また、男性ホルモンは判断力や記憶力にも関係しており、男性ホルモンの分泌が減ると、もの忘れや集中力、記憶力の低下や意欲減退が見られることがあります。
男性も、特に50代以降は疲労感や不眠、頻尿、ほてり、発汗、めまい、耳鳴りなどの症状に加えて、不安やイライラ、抑うつ感、さらにED(勃起障害)などが現れることもあります。男性ホルモンが減ってくると、やる気や好奇心も減少してしまうのです。
こうした男性更年期障害(LOH症候群)は、うつ病と症状がかなり似ています。
血液検査をしてホルモン値を測定すれば、うつ病なのか、LOH症候群なのかがわかるのですが、どちらにしても男性ホルモンを加えると調子が良くなります。LOH症候群もうつ病も男性ホルモンを足すと、意欲が出てきて症状が軽減する人が多いのです。
ですから、50代以降のうつ病の患者さんの場合は抗うつ薬だけでなく、ホルモン補充療法を加えたほうがいいケースも少なくありません。