だが日本人である私は、この「国政ブリーフィング」の様子を見ていて、手放しでは喜べなかった。というのも、仮に韓国が抱く「皮算用」がすべて現実のものとなったとしたら、日本への影響は、必ずしも良好なものとはならない可能性があるからだ。やや悲観的すぎるかもしれないが、以下、4つの分野について述べる。

経済力で肉薄される可能性

<経済>

 前世紀の末頃まで、日本の政官財界などでは、韓国経済のことを「九州経済」と揶揄(やゆ)していた。韓国経済の規模が、日本全体の約1割を占める九州経済と同規模だったからだ。

 それが現在は、日本の3分の1を超えるまでに成長した。それにつれて、日韓貿易における韓国側の発言権も増していった。

 もし尹大統領の発言通りの石油と天然ガスが産出されたなら、韓国の電力費用は大幅に下がるから、韓国経済を活性化させることになるだろう。ソウルの南部に広がる「半導体ベルト」はむろん、製造業からサービス業まで、活況を呈していく。

 そうなると、日韓の経済力は、いま以上に急速に接近してくる。すなわち、日本側の発言権は、相対的にますます弱まることになる。