そうなると、南北統一の気運が高まるかもしれない。特に韓国が左派政権の場合、韓国産の石油や天然ガスを北朝鮮に援助するのではないか。南北が激しく対立しても、逆に統一に向かっても、日本への脅威となる。

シーレーンの意義が縮小することも

<台湾>

「台湾有事は日本有事」と述べたのは、故・安倍晋三元首相だが、「台湾有事は韓国有事」でもある。なぜなら、台湾海峡を中国に封鎖されたら、韓国のエネルギー供給の9割以上を占める中東からのシーレーンに支障をきたすからだ。

 ところが韓国が産油国になれば、台湾海峡を封鎖されても、日本のようにオタオタすることはない。このことは台湾有事の際、韓国の対中政策に「幅」を持たせると同時に、日韓の連携も絶対ではなくなる。

 このように、少し考えただけで、韓国の「夏の世の夢」が「正夢」になれば、日本には「悪夢」となるリスクを孕(はら)んでいるのだ。問題の根源は、韓国が産油国になるかどうかではなくて、韓国に再び「反日政権」が生まれるかどうかなのだが……。