「百葉箱」を連想するが…

 気温を測るというと小学校などに設置された「百葉箱」を思い浮かべる人も少なくないだろう。だが、正解は(1)。気象庁では風通しや日当たりの良い場所で「芝生の上1.5mの位置」で観測するのが標準とされている。気温を計測しているのは電気式の温度計。この温度計は直射日光に当たらないように「通風筒」の中に格納されている。

電気式温度計を入れる「通風管」(出所:気象庁ホームページ

 気象庁によると、通風筒の上部には電動のファンがついており、筒の下から常に外気を取り入れて気温を計測するという仕組みになっているという。

気象庁の観測システム「アメダス」

 気象庁の温度計は「アメダス」と呼ばれるシステムの観測所に置かれていることが多い*2。この「アメダス」とは名前から「雨」に関する観測システムかと思われることがあるが、「Automated Meteorological Data Acquisition System」(地域気象観測システム)の略なので、特に「雨」に特化しているというわけではない。

*2地域気象観測システム(アメダス)

 アメダスは、降水量、風向・風速、気温、湿度を自動的に観測し、気象による災害の防止や軽減に重要な役割を果たしている。観測所は全国に約1300カ所設置されており、雪の多い地方の約330カ所では積雪の深さも観測している。

 近年台風や大雨など激しい気象現象が増え、自然災害の被害も増加傾向にある。暑さによる熱中症も重症化すれば命に関わる危険があるため注意が必要だ。天気予報で使われる用語の基礎を理解して、普段からの対策を心がけることが被害から身を守る重要な鍵となりそうだ。