作動後には簡単に制御できない恐れ

 人工知能や情報通信技術は軍民両用で使用が可能なデュアル・ユースの典型です。日進月歩どころか、時間単位・分単位でAIの進化が続く現在、AI技術そのものにストップをかけることは現実的ではありません。

 ただ、仮にLAWSが誤作動を起こしたり、LAWSが「自律」的に人類への攻撃を開始したりしたとしても、プログラムが作動した後ではLAWSを簡単に制御できない恐れもあります。

 そのため、手遅れにならないうちにLAWSの開発や使用を規制すべきだとの声は早くから湧き上がっていました。国際社会で最初に懸念を表明したのは、英シェフィールド大学のロボット学者、ノエル・シャーキー氏だとされています。

 防衛研究所紀要の第19巻(2016年)に掲載された論文によると、シャーキー氏は2007年に英紙で「Robot wars are a reality」(ロボット戦争が現実に)と題する論考を発表し、手遅れにならないうちに国際的な規制を行うべきだと強く主張しました。