犯罪になるかは時の政権次第

 朴氏は2020年10月、当時の尹錫悦検事総長夫妻の電話の内容を法務部監察委員会に無断提供したと言われている。この「追い出し疑惑」により、今年3月、それまで勤めていた部長検事の職を解任されている*3

 曹氏と朴氏。チョグク革新党の2つの顔は、現時点では疑惑にまみれている。ところが、そんなことは韓国人社会にとっては大きな意味をもたない。なぜならば、司法でさえも時の政権に左右されると誰でも思っているからだ。

 曹代表への実刑判決も、朴氏の疑惑による部長検事解任も、時の政権から司法界への圧力による「やりすぎな処分」で苦しんでいると思われている。その同情心が、この新しい政党の支持基盤の一つになっており、曹氏も「尹錫悦の検察独裁を止める」と息を巻く。

最大野党「共に民主党」党首の李在明氏(写真:Lee Jae Won/アフロ)

 そういえば、共に民主党のナンバー2でありながら今年1月に離党した李洛淵氏は、離党会見で「共に民主党の国会議員は44%が前科者」(後日41%に訂正)と発言している*4。信じがたい発言だが、その数字が微妙に訂正されているのだから、信憑性があるのだろう。

 にもかかわらず、この発言は議論を巻き起こさなかった。つまり韓国では、疑惑の渦中にある人物が公職に就くことへの嫌悪感は絶対的なものではない。その時々の国民感情によって大きく異なるのだ。