「ビバ!! マンディーラ!!」
スタジアムを埋め尽くした人々が叫ぶ。選挙を前にしてヨハネスブルク郊外のスタジアムで開かれた集会は、まるで祭りのような賑やかさだった。
眼が眩むほどの熱狂
チャーターバスで次々に到着する人々。それぞれにカラフルな民族衣装を纏っているが、ライオンや豹の皮を被った集団、腰布だけで槍や弓を振り上げる人々は遠い祖先の誇りと勇気を表しているのだろう。バスを降りると早速に踊りが始まる。腰を落としてゆっくりとくねらせながら行列が進んで行く。もちろん歌声も湧き上がった。
マンデラが登場すると歓声はひと際大きくなった。「ビバ!! マンディーラ!!」。
どの集会でも人の波をかき分けかき分け、あまりの熱気に眩暈すら感じながらマンデラの姿を追った。望遠レンズのフレームいっぱいに広がったマンデラの、顔中を皺だらけにした笑顔。振り上げた拳から彼の不屈の闘志が伝わってきた。
