マンデラの闘争
ANCは1912年から続く民族解放運動の草分けと言える組織だが、1950年代からはその青年組織が運動を展開していた。ネルソン・マンデラはその若きリーダーの一人だった。
彼の知性と行動力は並外れていた。また、その高潔で温かい人柄は誰からも信頼された。
しかし、1960年にANCが武装闘争路線へと転換した後の1962年にマンデラも逮捕され、国家転覆罪で終身刑の判決を受ける。すでにANCなどの黒人による活動は非合法とされていた時代だった。
以来、マンデラは27年という長い年月を獄中で過ごすことになるが、獄中にあっても彼の信念は微塵も揺らぐことがなく、民主化運動の象徴としてその名は世界に広がっていった。
それとともに南アフリカ政府に対する国際社会からの批判が日増しに強くなるのは当然のことだった。