鎮静作用とは、イライラしたり興奮したり緊張したりといった神経系の過剰な活動を抑制する効果のことです。一般的な言い方では、気持ちを静めると表現できるでしょう。

 ラベンダーは副交感神経を優位にすることで、鎮静作用を発揮すると考えられています。

 交感神経優位のときは、心拍数が増え、血管が収縮し、血圧も上がります。これにより血液のめぐりが早くなり、すぐに活動できるようになります。胃腸の働きや免疫機能も低下します。ゆっくり消化・吸収したり、体の中の敵と戦ったりするのは後回し。まずは目の前の危機的状況に対処する必要があるからです。

 交感神経が優位な状態は、体に負担がかかります。ずっと興奮したままだと、血管も心臓もボロボロになってしまいます。眠っているときは副交感神経が優位になるので、ようやく体が休むことができるのです。過労によって睡眠時間が取れなくなると、心臓に強い負担がかかり、脳卒中や心筋梗塞など、死亡率の高い病気が発症することがあります。睡眠によって副交感神経を優位にさせ、体を休ませることは非常に重要です。

副交感神経を優位にする

 通常は、真夜中になるにつれて交感神経の活動が抑えられ、副交感神経が優位になります。しかし、生活のリズムが不規則だったり、強いストレスを抱えていたりすると、そのバランスが崩れ、眠る時間になっても副交感神経が優位になってくれないことがあります。

 眠りについて副交感神経を優位にする方法は、いろいろあります。まずは交感神経のスイッチが入らないように、寝る前に脳が興奮するような行為をしないことです。ぎりぎりまで仕事をしたり、スマホでゲームをしたり、視覚や聴覚を刺激する映像を見続けたりせず、寝る前の時間をゆったりと過ごせると理想的です。

 そのうえで、香りの効果を上手く取り入れてみてください。