道長の「2人の妻」がどう描かれていくかがポイント
そんな今後の展開が想像できるが、道長が倫子と結婚するにあたって、ドラマではもう一人の女性がカギを握りそうだ。道長の姉で、吉田羊演じる詮子(あきこ)である。
今回の放送回で、詮子は雅信を呼び出すと、父の兼家への不信感を吐露。戸惑う雅信に「私は父とは違う力が欲しい」と言い、「末永く東宮と私の力になること、ここでお誓いなさい」と迫っている。
あまりに強引だが、「私は父が嫌いです。されど、父の娘ですよ。父に似ております」と自身で言うセリフがあり、視聴者も「確かに」と思ったことだろう。
雅信に無理やり、自分の力になることを誓わせると、その直後に通りかかった道長に「お前、左大臣家に婿入りしなさい」と、父と全く同じことをいきなり勧めるのだから、思わず笑ってしまう。
さて、そんな詮子の活躍はドラマのオリジナルなのかといえば、そうとも言えない。というのも、道長は倫子と結婚してすぐ、源高明の娘である源明子を、2番目の妻として迎えている。平安時代には複数の妻がいることも珍しいことではなかった。
実は、道長の兄たちも明子に求婚していたが、詮子の働きかけによって、道長が選ばれたといわれている。そんな経緯を踏まえれば、道長が倫子と結婚した際も、ドラマのように、姉の詮子が何らかの力添えをしたとしても不思議ではない。
ドラマでは、源明子は瀧内公美が演じることがわかっている。道長の2人の妻が、どのように描かれるのかも注目ポイントである。