分断を防ぐやり方はある

 筆者はC街区について3つのやり方があると思う。

 一番良いのは、ここには何も建てずに、その分の容積をB街区やA街区に振り分けること。でも、今さら合意形成が難しいのだろう。

 代案として良いと思うのは、C街区の低層部をごっそり持ち上げて、広場を連続させること。

 上のポンチ絵はごく簡単に書いたので、実際には縦シャフトが必要となるが、超高層の下部をスカッと抜くことは、技術的には不可能ではないと思われる。

 それができない場合は、せめて足下にいくつかのトンネルをつくること。

 屋内化していない、吹きさらしのトンネルとすることが人を歩かせるためには有効だ。ガラスボックスにすると人は外に出ない。

 この手法は、昨年見た「福岡大名ガーデンシティ」で採用されており、大きな効果を上げていた。

福岡大名ガーデンシティ。設計:久米設計・醇建築まちづくり研究所JV。超高層の真ん中にトンネル福岡大名ガーデンシティ。設計:久米設計・醇建築まちづくり研究所JV。超高層の真ん中にトンネル
トンネルを通り抜けると広場トンネルを通り抜けると広場

 20年後の全体完成を自分の目で見られるのかは微妙だが、B、C街区の完成はおそらく見ることができそうだ。そのとき、このサイトで「よくやった」と褒められる開発になることを期待している。

※関連する池袋建築巡礼の記事
「IWGP」を生んだ(かもしれない)無名建築 池袋建築巡礼07
娯楽ビル「ロサ会館」がピンク色である予想外の理由 池袋建築巡礼04

※池袋建築巡礼の記事一覧はこちら
https://jbpress.ismedia.jp/search?fulltext=%E6%B1%A0%E8%A2%8B%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%B7%A1%E7%A4%BC

◎本稿は、建築ネットマガジン「BUNGA NET」に掲載された記事を転載したものです。