池袋駅西口地区市街地再開発の概要
◆ 所在地:東京都豊島区西池袋一丁目地内
◆ 特区区域面積:約61,000m2
◆ 敷地面積:約33,420m2
◆ 延床面積:約582,700m2(容積率1,430%)
◆ 着工:2027年度(解体を含む最短のスケジュール)
◆ 竣工:2043年度(最短のスケジュール)

A街区の概要
◆ 階数:地上41階、地下4階
◆ 高さ:約220m
◆ 用途:オフィス、商業、情報発信施設、駐車場 等

B街区の概要
◆ 階数:地上50階、地下5階
◆ 高さ:約270m
◆ 用途:オフィス、商業、宿泊施設、駅施設、駐車場 等

C街区の概要
◆ 階数:地上33階、地下6階
◆ 高さ:約185m
◆ 用途:オフィス、商業、宿泊施設、人材育成支援施設、共同住宅、駐車場 等

D街区の概要
◆ 用途:公園

「歩かせたい」のに動線が変わっていない

 時間のある方は、筆者の戯れ言にお付き合いいただきたい。

 説明会では何度も「ウォーカブル」という言葉が使われた。「脱・駅袋」というキーワードもあり、そんなふうに言われていることを地元の人間でも知らなかった。駅から人を誘いだし、西口の街を回遊させるという意図なのだろう。

 それなのに駅隣接で高容積のビルをつくるのは矛盾していると思うが、それはさておき、「ウォーカブル」という点で筆者が強く感じたことがある。

 それは、「歩かせたい割には動線がほとんど変わっていない」ということだ。

 現状の西口駅前の最大の問題は、東京芸術劇場前の広場と、駅前のロータリーが分断されていることだと筆者は思う。両者の回遊性がほぼない。次の写真の道、たぶん地元の人しか分からない。ロータリー側から芸術劇場方向に行けたとしても、同じ道で戻ってくる人はほぼいない。回遊性ゼロだ。

 

 このプロジェクトで特に重要なのは、C街区のビルのデザインだと思う。駅に隣接するB街区やA街区の超高層ビルはそれなりのものにはなるのだろう。だが、街の未来を左右するであろうC街区のデザインが、現状のイメージ図を見るととても心配だ。

 せっかく巨大な交通広場を整備するのに、相変わらず東京芸術劇場前広場と交通広場を分断する大きな壁にしか見えない。前述の細道に大屋根広場ができたとしても、方向的に「駅に戻る」だけだ。