かつては海外投資家に大人気だった

 ナショナルチームの概念は、2015年7月の上海株暴落の時に生まれたものだが、具体的には国家が株を保有する政府関与の企業体で、主に中央滙金企業や中国証券金融企業を含む機関投資家などで構成される。彼らは、党の指示で、市場に資金を投入、株価維持に努めてきた。こうしたナショナルチームの動きは、海外機関投資家も注目しており、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ証券が毎月発表する世界各地のファンド・投資経理リポートによれば、中国エクイティの売り出しは、アップルやマイクロソフト、アルファベットなど米7大株(マグニフィセント・セブン=M7)の取引に次ぐ、世界のファンドマネージャーの間で2番目に人気がある取引だ。

 その「ナショナルチームが、ついに力尽きた」というSNS上の声を当局は削除している。すでにそうした専門家のコラムで読めなくなってしまったものも多い。つまり中国は今後も、彼らナショナルチームを使った株価コントロールを継続するつもりだ。

 ブルームバーグによれば、中国当局は新たに、中国国有企業のオフショア口座から2兆元を動員して、上海深圳香港の株式市場に注入するという。ほかに、少なくとも国内資金3000億元を追加で調達して株式市場の買い支えを行うらしい。

 果たして、これがうまくいくというのか。